エルゴチオネインとは
エルゴチオネイン(Ergothioneine、略称:ERGO)は、1909年に麦角菌から初めて見つかったアミノ酸の一種です。ヒトの体内では合成できないため、主に食事から摂取される成分として近年注目されています。
細胞などを使った研究で、抗酸化の働きが報告されています。一方で、人の体の中での役割は今も研究が続いています。
研究で報告されていること
① 高い抗酸化特性
体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)を中和し、細胞の酸化ダメージを抑える働きが基礎研究で示されています。全身のさまざまな組織での役割が研究されており、水溶性と脂溶性の両環境で機能できるのが特長です。
② 紫外線・環境ストレスとの関連
紫外線などによる酸化ストレスとの関連が複数の基礎研究で報告されています。エルゴチオネインは皮膚の表皮・真皮に存在することが確認されており、美容分野でも注目されている成分です。ただし、ヒトでの長期的な美容効果については今後さらなる研究が期待されています。
③ 抗炎症・健康的な加齢との関連
エルゴチオネインには炎症を抑制するサイトカインを調節する作用が基礎研究で報告されており、健康的な加齢との関連が検討されています。血中エルゴチオネイン濃度が高い人ほど各種健康指標が良好という観察データもありますが、ヒトでの長期的な因果関係は今後の検証が必要です。
多く含む食品
エルゴチオネインはキノコ類に特に多く含まれています。以下はエルゴチオネイン含有量が高い食品の目安です(乾燥重量換算のため諸条件により異なります)。
| 食品 | 特徴 | 含有量の目安 |
|---|---|---|
| たもぎ茸(タモギタケ) | 含有量が多いきのこのひとつ | ◎ 非常に高い |
| ヒラタケ類(エリンギなど) | スーパーで入手しやすい | ○ 高い |
| しいたけ | 日本で最も馴染み深いキノコ | △ 中程度 |
| 黒豆・大豆 | 豆類にも少量含有 | ▲ 少量 |
| 肉類(レバー等) | 動物はキノコ由来で蓄積 | ▲ 少量 |
※含有量は品種・栽培条件・生鮮/乾燥・調理法・産地により大きく変動します。上表は文献の参考値をもとにした目安であり、定量比較ではありません。
なかでもたもぎ茸(タモギタケ)は、エルゴチオネインの含有量が多いきのこのひとつとして知られています。しかし、たもぎ茸は生鮮流通が難しく、スーパーでは入手が困難な食材です。北海道など産地に近い地域でなければ、日常的に食べ続けるのはなかなかハードルが高いのが現実です。
サプリで補うという選択肢
エルゴチオネインを毎日コンスタントに摂るには、サプリメントの活用がひとつの現実的な選択肢です。その理由は主に3つあります。
食品だけでは摂取量が不安定
たもぎ茸などのキノコを毎日食べ続けるのは現実的でなく、加熱調理によって成分量が変動するケースもあります。サプリなら一定量を安定的に毎日摂取しやすくなります。
加齢と血中濃度の観察研究
高齢の方を対象にした観察研究で、エルゴチオネインの血中濃度が年齢とともに低い傾向が報告されています(個人差あり。補給による効果を示すものではありません)。
継続しやすい
毎日の食事管理に気を配るのはストレスになることもあります。サプリなら1日数粒の習慣で手軽に補給でき、長期的に続けやすいメリットがあります。
まとめ
エルゴチオネインは、ヒトが体内で合成できない抗酸化物質で、加齢とともに体内レベルが低下する傾向が報告されています。キノコ類(特にたもぎ茸)に多く含まれますが、日常的な食事で十分量を摂り続けるのは難しいのが現状です。
年齢に応じた健康ケアを意識するなら、たもぎ茸由来エルゴチオネインを配合したサプリメントを生活に取り入れることも選択肢のひとつです。
出典(研究は成分についてのもので、特定の商品の効果を示すものではありません)
・Cheah IK, Halliwell B. Ergothioneine; antioxidant potential, physiological function and role in disease. Biochim Biophys Acta. 2012;1822(5):784-793. doi:10.1016/j.bbadis.2011.09.017
・Gründemann D, et al. Discovery of the ergothioneine transporter. Proc Natl Acad Sci USA. 2005;102(14):5256-5261. doi:10.1073/pnas.0408624102
・Cheah IK, et al. Ergothioneine levels in an elderly population decrease with age and incidence of cognitive decline; a risk factor for neurodegeneration? Biochem Biophys Res Commun. 2016;478(1):162-167. doi:10.1016/j.bbrc.2016.07.074
・Kalaras MD, et al. Mushrooms: A rich source of the antioxidants ergothioneine and glutathione. Food Chem. 2017;233:429-433. doi:10.1016/j.foodchem.2017.04.109
※本記事は一般的な栄養・健康情報の提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
※サプリメントは医薬品ではありません。体質やアレルギーに合わない場合は使用を中止してください。
※妊娠中・授乳中の方、治療中・服薬中の方は、摂取前に医師・薬剤師にご相談ください。
※記事中で紹介した研究データには、細胞試験・動物試験・観察研究・ヒト介入試験が含まれます。研究段階や条件によって結果は異なる場合があります。